大山

 3月9日(土) はれ
 夏山登山口(7:30)→6合目(9:09)→8合目(9:47)弥山山頂(10:17)
 7合沢滑降(12:14)→元谷小屋(13:21)→大山寺(14:30)
 なおくん ちち
 いろんな事が起こった大山滑降泣き笑い




朝日に光るブナ林
 8日の夜、夜久野ドライブインでなおくんと待ち合わせし、深夜の山陰高速9号線?を飛ばして2時半に大山寺横の下山駐車場に到着。星空の下でテントを張ってワンカップで乾杯しほろ酔い気分で就寝。
 朝6時半に起きてカップうどんをすすって温まり、装備を整えて登山計画書を提出したあと、7時半に駐車場を出発。夏山登山道を登り始める。
 しばらくするとブナ林を朝日が照らし、先日に降った新雪とともに光って美しい。
 この樹林帯では風がほとんど無く、暑い暑いと言いながら歩いていたのだが・・・

6合小屋 弥山から流れる雪煙が風の強さを感じさせる
 樹林帯を抜け大迫力の北壁が見えてくると風が強くなる。六合目非難小屋の下で風を避けて小休止。行者谷をソロで直登している登山者を発見!やるな〜。
 ここでアイゼンを装着し登り出すが、強烈な横風でザックにくくり付けたスキーが振られて恐ろし〜。慎重に足を運ばないと滑落するよ (^_^;
 登山道はガチガチに凍った雪の上に一昨日から降った雪が15cm位積もっているが7合目付近からは傾斜が増すうえ雪も飛ばされてアイスバーンと化した所が多く、アイゼンの爪を利かせて登る。ここから見える今日滑る予定の8合沢は青く光ってるよ (アセ(^_^;汗) 無理せずぼちぼち行こう。。
 風上方向はサングラスをしてても向くのがいやなほど、ほとんど地吹雪状態の中を登る。

地吹雪状の頂上台地(9合目)
 10時17分に山頂小屋に到着。弥山山頂で記念撮影をして360度の展望を楽むのだが、ここで第1のトラブル発生。強風に足を取られなおくんが転倒し運悪く手袋を脱いでたために氷状の雪面で手の甲と指を負傷、、幸いにも軽傷であったためバンソウコウで応急処置をし、頂上台地を一本滑った後小屋に入ってで昼食をとる。小屋の中は外の喧騒が嘘のように穏やかで20人くらいの人が休憩していた。
 昼食を済ませ外に出るとサングラスを外してたために眩しさで目がくらみ、おまけに強風で足がふらついてヨロヨロ状態(ちょっとビールを飲んだのもある?)、、知らないオジさんに「大丈夫ですか?」と声をかけられる(笑) ここで第2のトラブル発生。「も〜最悪だ〜」とトイレに行ってたテンション低いなおくん。どうしたのかと聞くとトイレの中(ボットン便所)に手袋のインナーを落としてしまったらしい・・・とりあえずオイラの予備手袋を貸して滑り出す。

三角点と剣が峰
 頂上台地はアイスバーンと重い深雪を繰り返すものの楽チンにテレをこなし(強風は意外にも苦ではなかった)、8合目の滑り出しまで斜滑降で降りるがなんともやはり恐ろしい傾斜、、40度以上はあるアイスバーン(・・; 一人の山スキーヤーが滑降準備していた。オイラ達はやはり根性無くアイゼンを履いて7合目辺りまで歩いて下ってここから滑り出す。
 横にいた登山者がおいら達の少し前に滑り出した人がかなり下の方まで滑落したと言ってる、、下を見ると数名の仲間がそばに駆け寄り外れたスキーを回収しに向っている。後で一緒になった彼は腰を強打したらしく辛そうだった。。
 くるぶしくらいのフカ雪を選んで、急斜面をジャンプターンで慎重にこなし降りるが10mほど滑って5mほど滑落。恐ろし〜。なおくんは最初調子よく滑っていたがバランスを崩し転倒して20m以上滑落。。これが第3のトラブルだったが幸い怪我も無く良かった良かった。柔らかい雪の上だったので滑落してる本人は結構余裕だったらしい。
 

元谷大堰堤付近から北壁を見る
 とりあえず下の方で待ってるなおくんの所まで行こうとして何回目のターンだったろうか、今日最大のトラブルが発生!!ジャンピングで右ターンをした時左足が重い雪に引っかかり転倒!落ちることなく止まったが、その時左足から「ポキッ」といやな音がした(マジ汗)。痛みの具合からみてどうも捻挫したようだ。。なんとか斜滑降は出来るのでそれで時間をかけて下り、デブリっぽい荒れた所はスキーを外して歩く。しかし滑ってるほうが楽で一歩歩くたびにくるぶしに痛みが走る。ヤバイな〜。。
 元谷小屋の少し上で小休止して再びスキーを履き、なおくんは軽快テレで、オイラは恐ろしい直滑降(オイオイ(^_^;)で緩斜面を林道分岐まで滑り、大山寺までは痛む足を引きずりながら何十人の人に抜かれて下り、大山寺に着いたのは2時半だった。。無茶苦茶に時間がたったように感じた長い下りだった。。
 しばらくはリハビリに励まなくてはならないようです。。


 山にトラブルは付き物で、危険とはいつも隣り合わせなのです。今回は怪我程度で済み自力で下山できた事をラッキーだったとは考えずに、自信過剰に陥らず、常に初心に帰って謙虚な気持ちで山に挑まなくてはなりません。

 大山寺付近まで下ってきた頃、ヘリコプターの音が喧しくなってきた。遭難救助のために飛んでいる様子で、参道を歩いてる頃には尾根の向こう側のオイラ達が下ってきた沢辺りまで降りてホバリングしているようだ。「オイラの怪我も骨折なんかしてたらあのヘリのお世話になってたかも知れんな〜」と話してたが、翌日の朝刊(読売新聞)読んでびっくり。同じ沢で滑落死亡事故があったとか・・
 亡くなった方のご冥福をお祈りします。